今日、原発の事故が原因で避難している人から話を聞いた。
いい歳のおっさんだ。
彼は私たちに
3月11日から私たちの生活は180度変わった
と言った。
政府や東電の要人がくるたびに現状を訴えている。
東電や行政から100万円、40万をいただいた。
今までの生活を放棄せざるを得ない環境なのです。
140万円、
それが解決になりますか?
と言った。
僕は311から30日たったのち、新地町(大平洋沿岸の町)に行った。
惨状を目の当たりにした。
あのあとから自分の中での考え方は変わったと思うが、それでも僕は、すべてを失った現地の人たちの気持ちは計りしれていない。確実に。
今も尚、施設で避難生活を送っている人たちがいること。
東電や行政から見舞金が支給されていること 。
偉い人たちが現地に赴き、被災者の声を聞く行為。
それらの情報は、
メディアを介して得ることができる。
今日、目の前でおっさんが僕らに語りかけたことは、周知の事実だ。
彼らの生活が180度かわってしまったことは、みんなが知っていることだ。
それを、
いい歳のおっさんが涙を一所懸命にこらえて僕らに訴えた。
それは「情報としての事実」ではなくて、「声」だった。
僕が今、こうして皆に伝えようとしている彼の思い、そして彼の声を聞いた僕の思いは、情報を伝えることを生業としているメディアにも劣り、残念ながらうまく伝えることは出来ないと思う。
僕らは電波で飛ばされてきた惨状を見て涙を流す。
でも、
メディアから伝えてもらう「情報」と本当の「声」とでは感じるものが違いすぎた。
僕のそれはただの同情かもしれないし、やっぱり「声」をこの場でみんなに伝えることは不可能だ。
地震津波の被害を受けて行政の見舞金や義援金などを支給してもらい助かっている人がたくさんいる。
この状況下で被災者が生きるためにお金は不可欠だ。
義援金や行政の補助は本当にありがたいものだ。
そんな中で、
地震や津波以外の原因で、お金じゃ取り返しのつかないものを失った人たちがたくさんいること。
今も尚、不安な生活を送っている人たちがいること。
人生が180度変わるとはどういうことか。
「声」を聞いて胸が張り裂けそうになったこと。
メディアがすでに発信している事実を、
つたない言葉しか使えない僕が、改めて発信しても何にもならないよね。
今日はこのへんで